【Fallout 3】すべてが破壊された世界を自由に冒険
翻訳校正:川村インターナショナル
良い点
- 好きな場所を好きなときに探検できる自由度
- 多彩な方法でクリアすることができる、非常に質の高い複雑なクエスト
- 戦闘システム「V.A.T.S.」が実現する、緊張感にあふれ、身の毛がよだつような戦い
- 荒廃したワシントンD.C.を表現する見事なアートデザイン
- エキサイティングなシーンと独特の雰囲気が漂う探検との絶妙なバランス
悪い点
- やや無機質に感じられるストーリーとキャラクター
- 若干ぎこちなさがある戦闘
多くのゲームが「プレーヤーが自由に選択できる」ことを大々的にアピールしているが、「Fallout 3」ほど、あらゆる状況において入り組んだ、重要な選択肢が与えられるゲームは最近ではほとんど記憶にない。プレーヤーは、平和な社会の実現という崇高な希望をかなえることも打ち砕くこともでき、奴隷になることも奴隷を所有する立場になることもできる。そして、複数の都市の運命が、破滅後の荒地と化したワシントンD.C.をめぐるプレーヤーの冒険にかかっているのだ。プレーヤーの行動は、周囲の世界だけでなく自らのプレイスタイルも左右する広い影響力を持ち、この自由度が「Fallout 3」を1度ならず何度もプレイする価値があるゲームにしている。本作は奥深く、魅力的で、Bethesda Softworksの過去作品の驚異的な世界の広さには及ばないが、その分内容が濃く、生々しさにあふれている。
荒れ果てた世界へようこそ
この「内容の濃さ」は、ゲーム開始直後からはっきりと感じ取ることができる。キャラクタークリエーションとストーリー導入部が見事に練り上げられているのだ。その導入部はここで詳しく説明するよりも自ら体験してほしいが、ここではFallout 3の世界設定が明らかになる。舞台は2277年、主人公とその父親は、「Vault 101」の住民だ。Vault 101とは、核戦争後の危険な地上世界から逃れるため、人類が避難している数多くの建造物の1つである。主人公は、別れも告げずにこのシェルターを出て行った父親を捜す旅に出る。しかしその道中で主人公は、政治的、科学的な権力争いにいや応なしに巻き込まれていく。ワシントンD.C.とその周辺地域(アーリントン、チェビーチェースやそのほかの郊外地域を訪れることになる)の廃墟の中を進んでいくと、こちらから手を出さなければ攻撃してこないグールや辺りを徘徊(はいかい)する科学者、そしてFalloutシリーズではおなじみのキャラクターであるHaroldと出会う。Haroldにはいろいろと思うところがあるようだ。もう1つの見どころが、「蠅の王」を思わせる避難民の小さな集団だ。うまく立ち回れば、この集団は主人公を嫌々ながらも受け入れてくれる。
街もまた、Fallout 3の見どころの1つだ。そこには陰うつな世界が広がっており、よどんだ緑色の水たまりや「Mirelurk」と呼ばれるよろめき歩く怪物を崩れかけたワシントン記念塔が見下ろしている。もちろん、冒険を進めていくうちに新たなクエストやキャラクターを発見することになるが、コーラ工場のバックルームを調べたり、警備が厳しい国会議事堂の階段に近づいたりと、街を歩いているだけでも収穫はある。時折ストーリーに差し挟まれるばかばかしい脱線やおかしな会話で一息つけることがあるものの、本作は従来のシリーズ作品と比べてよりシリアスになっている。時には堅苦しく、無機質に感じてしまうことさえあり、ゲーム終盤で下す、心を打つはずのある決断に対する感情移入が薄れてしまうことになる。また、Fallout 3はこれまでのシリーズ作品を強く意識した作りになっているものの、シリーズおなじみのブラックユーモアは前作までと比べると大幅に削られている。ごう慢な疑似政府「Enclave」や自由の戦士「Brotherhood of Steel」は相変わらず強大な勢力で、メーンストーリーはFalloutの熱心なファンならなじみ深いコンセプトや目的を中心に展開する。
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