気分は西部劇のガンマン【コール・オブ・ファレス】レビュー
翻訳校正:アークコミュニケーションズ、瀧野恒子
GameSpot スコア
| 操作性 | 7 | |
| ビジュアル | 7 | |
| サウンド | 8 | |
| 満足度 | 7 | |
| 独自性 | 8 |
わかりやすさ: 10〜30分
マカロニウェスタンというジャンルがあることは、誰でも知っている。 しかし、ピェロギウェスタンなどというものは存在するのか?(「ピェロギ」は、小麦粉の皮に肉、野菜、チーズなどを包んでスープで煮て食べるポーランドの家庭料理)。ところが今は、それが存在するのだ。ポーランドのゲーム開発会社Techlandの「Call of Juarez(コール・オブ・ファレス)」のおかげである。懐かしの西部劇をテーマとした一人称視点シューティング(FPS)ゲーム「Call of Juarez」は、「Gun」や「Red Dead Revolver」などのゲームがすでに先行している小さいがしっかりとしたニッチを的確に捉えている。「Call of Juarez」は、これらのゲームと同様にハードボイルドな内容だ。ガンファイト、馬での追跡、列車強盗、そしてそれ以外のあらゆる西部劇の定番がぎっしり詰まっている。西部劇ファンなら、それらの要素はすでに他のゲームで堪能したかもしれない。それでも、「Call of Juarez」は全体的にリスクが少ないため、楽しめる場面の多いよくできた西部劇ゲームである。
このゲームでは、プレーヤーは2人の対照的なキャラクターとなってプレーする。主人公のうちの1人は、ビリー・キャンドルという若者。伝説の「ファレスの失われた黄金」を探しながら、流浪の旅を続けていた。「ファレスの伝説の黄金」は、町とは名ばかりのファレスのどこかに埋められている黄金の宝の山である。発見できなかったビリーは、生まれ故郷のホープの町に舞い戻り、母親と養父を訪ねる決心をする。しかしビリーが家にたどりついたときには、2人はすでに何者かに殺された直後だった。もう一人の主人公レイ牧師は、ビリーの養父の兄弟にあたり、町の教会の牧師を務めている。改心して牧師になる前は殺し屋だったという過去を持つレイだが、今は神の言葉を広めることに専念していた。ところが、兄弟の農場から人の争う物音が聞こえたために駆けつけてみると、パニック状態のビリーが走り去るところだった。後に残された自分の兄弟と義理の姉妹の遺体を見たレイは復讐を誓い、その誓いを果たすために義理の甥を追跡する旅に出発する。
プレー可能なキャラクターが2人設定されていることが、このゲームの原動力になっている。この2人の性格付けははっきり異なっているが、これほどの違いがなければもっとおもしろくなったはずだ。ストーリーの点でもゲームプレーの点でも、2人のうちより楽しめるのがレイであることはすぐにわかる。レイの声を担当した俳優は、Sam Elliott氏(西部劇のカウボーイ役で知られる)と「ポルターガイスト2」(オカルト映画)の不気味な司祭を足して2で割ったような印象を作り出している。そのためレイのシークエンスは、自分だけが正しいと思っているらしい聖書の引用の直後に大量殺人を行うというまったくあきれるような場面が多い。映画にするなら、レイの役はSamuel L. Jackson氏(映画「パルプフィクション」の聖書を読み上げる殺し屋役で知られる)に演じさせたいと思うほどだ。それはさておき、レイにはわれわれが愛情を込めて「聖書ボタン」と呼びたいボタンが設定されている。これは、レイが使える武器の1つに聖書があるからだ。聖書を手に持っているときに武器の発射ボタンを押すと、近くの敵に向かって聖書の一節をランダムに読み上げる。すると敵は、1秒間立ち止まって聖書の言葉に耳を傾ける。この瞬間を逃さずに、敵の間抜け顔を撃てばよい。これは天才的なアイデアと言うべきか、それともひどいアイデアと言うべきか、あるいはおそらくその両方かもしれない。
神の言葉を武器として使うのはともかく、レイをプレーする場合は、さまざまな悪漢、牛泥棒、無法者その他のよからぬ連中を追跡して撃つことに大半の時間を費やすことになる。レイの主な武器は2挺の6連発銃である。この武器をホルスターから引き抜くときに、レイは実はスローモーションの「コンセントレーションモード」に突入することができる。「コンセントレーションモード」では、2つの照準を使って近くにいる敵に狙いを定め、一気に撃つことが可能になる。レイは、他の殺し屋との1対1の決闘にも加わる。決闘は一瞬だが、基本的にゲームのボス戦の大半を占める。これらのガンファイトでは、カウンターが時を刻む。カウンターが時を刻み終えたら、右コントロールスティックをすばやく手前に引き、次に前方に押せばドローにすることができる。この操作を行うと、照準が表示され、場面が再びスローモーションになる。ただしドローにするタイミングが早すぎると、照準が少し調子が狂った状態で現れる。相手に倒される前に、狙いを定めて撃つことができるかどうかはプレーヤーの腕しだいである。こうしたシークエンスは見事だとは言いかねるし、特に独創的とも言えない(「Red Dead Revolver」にも似た仕組みがある)が、それでもやはりおもしろい。
ビリーのシークエンスはあまりおもしろくないし、全般的にじれったい。ビリーは時おりピストルを使うが、弓矢と鞭だけを使うこともある。しかしビリーの物語は、ほぼすべてのシナリオであまり出来がよくない一人称視点プラットフォームを中心に展開する。そして実際のアクションよりも、人目を避けて行動するシークエンスがあまりにも長い。正確に言えば、人目を避ける行動も悪くはない。ビリーは、茂みや箱の後ろに隠れたり、物陰か、さもなければ暗い場所を見つけて身を潜める。そうした行動は、宣伝通りの効果がある。問題は、人目を避ける行動がどれも時間がたっぷりかかることである。敵を待ちながらゆっくりと敵の見張りをすり抜けて茂みから茂みへ移動するのは、文句なしにおもしろい。場面としてはあまり多くないが、やりたければ走って銃撃することもできる。しかしビリーはこの種の状況にふさわしい武装をほとんど持たず、レイの「コンセントレーション」能力もない。そのため、ビリーはガンファイトではほとんど役に立たない。そこで代わりに、15分もかけて悪者だらけの野営地を1つ通り抜けることになる。
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