【トップシークレット】デモを見た第一印象は
カプコンは復活が決まった名作ワイヤーアクションゲーム「トップシークレット」について、その一端をデモで明らかにした。
カプコンがロンドンで行った報道機関向けイベントで目玉の1つになったのが、最近になって復活が発表された「トップシークレット」だった。20年近く前にアーケードゲームとして登場し、ファミコン用に移植された「ヒットラーの復活」の続編だ。同イベントのオープニングで行われたプレゼンテーションでは、ゲームのごく一部を見せただけだったが、続くデモンストレーションでは、もう少し時間を長く取ってゲームが紹介され、新作への期待がかき立てられた。われわれは、日本のカプコン本社と、スウェーデンのゲーム制作スタジオGRINが期待の新作にどのような秘策を盛り込んでいるか、少しばかり情報を得る機会に恵まれたので、それをここで紹介しよう。
10月第3週に行われた公式発表で明らかにされたように、「トップシークレット」は、そのオリジナル版(「ヒットラーの復活」)から約10年後という設定の続編で、オリジナル版のヒーロー、Nathan Spencerの活躍がゲームの中心だ(たしかに、多くの人が「ヒットラーの復活」のヒーローの名は絶対にRadd Spencerだと思っていることは理解している。しかし、長い年月の間にいくつも出たバージョンの中で主人公にさまざまな名前が付けられ、結局Nathan Spencerで終わっていたことを考えれば、われわれとしてはこの名を採用したい)。残念ながらNathanは、オリジナル版の終わりでめざましい活躍をしたにもかかわらず、勝利の栄光に浴するわけにはいかなかったようだ。新版の冒頭でNathanは、刑務所の無機質な蛍光灯の光を浴びて作業をしている。かつての英雄が不当な有罪判決を受け、収監されて左手のバイオニックワイヤーを奪われ、死刑を宣告されている、という設定だ。
ところがその処刑の当日、状況は一転する。Ascension Cityですさまじい破壊力をもつ爆弾が炸裂し、メトロポリスはがれきの山と化したのだ。破壊したのは某テロ組織で、今も街を占拠しているようだが、情報がほとんどない。廃墟と化したAscension Cityの状況を調査し、テロリストの脅威に立ち向かうには、Spencerに協力を求める決断を下すしかない、という状況だ。この比較的簡明なミッションは、オリジナル版のシンプルな設定を受け継ぐものではあるが、実はそれほど単純なものではない。話が進行し、テロ組織の構成員それぞれの性格とそのテロ行為の動機が明らかになるにつれて、Nathanは興味深いモラル上のジレンマに悩まされるようになるからだ。オリジナル版からの引用を期待する同シリーズのファンは、カプコンが同シリーズ旧版の要素を取り入れ、関連性をもたせようとしていると聞けば喜ぶにちがいない。カプコンが旧版との関連性をどの程度盛り込むつもりなのかは突き止められなかったが、オリジナル版で名を馳せた悪のリーダーなどを特別ゲストとして登場させたり、言及したりする可能性もあるとのことで、ますます興味をそそられた。
イベントで行われたデモは、廃墟となったAscension Cityの光景が最大の呼び物で、続いてNathanがメトロポリスの中を駆け抜ける短い場面が流れた。ここで最も注目すべきは、開発チームが、オリジナル版のシンプルな「ワイヤーにぶら下がるメカニズム」を、完全に3Dとなったゲーム空間にどのように取り入れているかという点だ。新たな操作システムでは、少数の例外はあるが、画面上にあるものすべてにワイヤーを引っ掛けることができる。画面上のどこに合わせても反応する照準を使えば、ワイヤーを引っ掛けられるものと引っ掛けられないものを見分けられる仕組みだ。ワイヤーが引っ掛かると、振り子のように、あるいはすばやく、その地点まで移動できる。また、アームのワイヤーの長さを調節して、ぶら下がったまま上下に移動することもできる。デモでこうしたメカニズムが紹介されたのを見て、ゲームが良いものに仕上がりそうだという期待感が高まった。Nathanのワイヤー移動はスパイダーマンのようで、物語の舞台が広い空間であるという感じがひしひしと伝わってくる。「トップシークレット」のゲームプレイの主な特徴が、主人公がワイヤーを駆使して縦横無尽に移動する点にあるのは言うまでもないが、それ以外にもさまざまなアクションが可能だ。バイオニックワイヤーを持つNathanの左腕には、戦闘や、場合によっては探索中にも役立つさまざまな使い道がある。強力なアームとワイヤーを使って、大きな瓦礫を引き寄せて敵の上に落としたり、小さな瓦礫をつかんで敵を殴りつけたり、戦闘中に敵の身体にワイヤーを引っ掛けて引きずり回したり、旧版と同じように広大な空間を水平移動したりと、置かれている環境に合わせて活用できる。また、敵との格闘中に痛烈なパンチを繰り出すのにも使える。ゲームの予告編では、Nathanが、アームが発するホログラフィック・ディスプレイに表示された何らかの情報を見ているシーンもあり、敵と闘う以外にもアームが役に立つことがうかがえる。強力なバイオニックアームのほかにも、Nathanは銃などの敵と闘うのにふさわしい武器を駆使する。
公開されたデモは、未完成の要素がたくさんあったため、現段階で評価を下すのは難しい。廃墟と化した街の描写は緻密で、スケールの大きさをおおいに感じさせた。ワイヤー移動がこのゲームの特徴であることから、街の建物は非常に高層で、ワイヤーを引っかけたり戦闘に使ったりできる大小の瓦礫も豊富に用意されている。Nathanがワイヤーで移動したり、廃墟と化した街を走り回ると、まだ初期段階ではあるが、粒子効果によって粉塵や細かい瓦礫が舞い上がった。ただし、主人公以外の登場人物たちは、明らかにまだ制作途中のようだ。Nathanが立ち向かった2、3の敵は、しっかりと作り込まれてはいるが、平凡で戦闘能力が低い雑兵だった。
デモの中で走り回っていたNathan自身について言えば、ポリゴンが採用されて描写も細かく、以前のシンプルな2次元キャラクターとは様変わりを見せていた。主人公の大変身は意図的なもので、オリジナル版での能力をさらにアップさせるという目的にかなったものだ。3Dとなった主人公の色彩設計について、開発チームはオリジナル版とほぼ同じになるよう配慮している。その一方で同チームは、Nathanにはプレーヤーに視覚的刺激を与えるような新しい要素(ドレッドヘアもその1つだ)が必要だと判断している。その理由については、「メタルギア」シリーズの主人公、ソリッド・スネークのバンダナや「デッドオアアライブ」のリュウ・ハヤブサの帯がキャラクターのアクションをプレーヤーにわかりやすく伝えているのと同じように、Nathanにもワイヤー移動中にその動きを伝える要素が必要だと開発チームは感じているからだ、との説明がプレゼンテーション中にあった。今も説明した通り、バンダナや帯はすでに他のキャラクターで使われているので、チームはさまざまな選択肢を検討し、最終的にドレッドヘアにすることに決めたという。もちろん、Nathanのキャラクター設定でもっとも検討が重ねられた要素は、改良されたバイオニックアームだろう。スチームパンクとより現代的な要素の両方を取り入れ、機能的で力強い外観を持つ、ユニークで大きなアームになっている。また、ゲームのプレゼンテーションで一貫していたのは、動きの滑らかさだ。走る、ジャンプする、ぶら下がるといったNathanの動作は、超人的なアクションに説得力を与える動画の絶妙なタッチのおかげで、どれも流れるようにスムーズに見えた。
デモで見たかぎりでは、新版「トップシークレット」は非常に期待が持てる作品だ。名作ゲームの復活版となるこのゲームには、今後の開発の足場となる確固たる基盤があるようだ。旧作で評判の良かった「ぶら下がるメカニズム」の3D空間への取り入れにも成功しているように思える。われわれはワイヤーで移動するシーンのデモを見たが、これは単純なメカニズムを改良するだけでなく、さらに重要なことに、理にかなった発展を遂げており、賢いやり方のように思えた。バイオニックアームと銃を併用できる点、さらに周囲の環境を活用できる点は、いずれも魅力ある冒険を作り出すには不可欠な要素だ。制作スタジオのGRINとカプコンがこれらの要素を的確に表現し、さらには昔からこのゲームを支持してきた熱いファンのために旧作の引用を十分に盛り込めば、「トップシークレット」は人気の旧作の名を冠するに恥じない作品になる可能性が高い。「トップシークレット」はPC、PS3、Xbox 360版が作られる予定だが、発売時期はまだ決まっていない。GRINのスタジオを訪問中に入手した追加情報を掲載する予定なので、詳細については今後の記事をお楽しみに。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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