須田剛一氏に聞く--Wii用アクションゲーム「NO MORE HEROES」
翻訳校正:アークコミュニケーションズ、國分真人
「キラー7」や「NO MORE HEROES」(ノーモア★ヒーローズ)などを手がけた須田剛一氏は独特の、そしておそらくは「ねじれた」ゲームを生み出すと言われている。この葬儀屋を前職とするゲーム開発者に、人々は何を期待しているのだろうか。
須田氏は現在、東京に本社を置くグラスホッパー・マニファクチュアの最高経営責任者(CEO)として総勢約50名の社員から成るチームを率いている。須田氏の名前は知らなくても、そのニックネームである「SUDA-51」を知っている人は多いことだろう。お察しのとおり、「51」は「剛一」を数字を使ってもじったものだ。
「人を楽しませる」ことを熟知している須田氏はユニークなブランドのゲームで有名であるが、去る2007年にサンフランシスコで開催された「Game Developers Conference」(GDC)で出席者に、「人と同じようなゲームを開発しても面白くないので、自分が開発したゲームの独自性を評価してもらえるのは喜ばしいこと」と語っている。
須田剛一氏
また「パンクは死なない」とも語り、開発者がゲームを開発するときは「人のまねをする」のではなく、「パンク魂」への道を切り開くようにすべきだと主張する。はじめてビデオゲームで遊んだときに感じた畏敬の念を覚えているという須田氏は、「映画や本、音楽などもあったけど、あのとき持っていた小さなボックス、そのゲームで遊ぶのは全くの別世界だった。そのときの気持ちは忘れたくない」と語る。
「NO MORE HEROES」は「Wii」でのみ、ヨーロッパでは2008年2月29日に、そしてアメリカでは1月22日に発売される。GameSpotでは、同ゲームのプロモーションでヨーロッパに旋風を巻き起こしている須田氏と話をした。
GameSpot:「NO MORE HEROES」というタイトルの由来を教えてください。
SUDA-51:実は、最初はゲームのタイトルを単に「Heroes」とするつもりでした。デヴィッド・ボウイの楽曲にあった「Heroes」からの思いつきです。あの曲、ご存知ですか。でも考えてみると「Heroes」という名前を使ったものはたくさんあるんですよね。アメリカでもテレビのシリーズものにあります。それで「これはよくないかな」ということになったんです。そして変更を考えているときに、「NO MORE HEROES」ではどうかなと思ったんです。これはストラングラーズの曲にもあります。
GS:ヨーロッパ版はオリジナルの日本版と同じなのに、アメリカ版だけより過激にしたのにはどのような判断があったのですか。
SUDA-51:ヨーロッパバージョンと日本バージョンでは、ゲームのアクションスタイルをより重視しています。たとえばヨーロッパバージョンと日本バージョンでは、登場人物を殺すとコインがすぐに出ます。バイオレンスよりはアクションに重点を置いているわけです。
GS:つまりアメリカ人はウルトラバイオレンスを好むということですか。
SUDA-51:そうですね。アメリカ人は激しいのが好きじゃないかと思います(笑)。アメリカ版だけより過激にした理由は、アメリカ市場ではバイオレンスが好まれる傾向があり、市場に合わせたバージョンを用意する必要があったということです。そのため2種類のバージョンを開発し、より過激なバージョンをアメリカ市場向けとしたわけです。ただし誤解してほしくないのは、両バージョンに優劣はないということです。どちらのバージョンも最高です。
GS:Wiiのみを開発対象にしたのにはどのような理由があったのですか。
SUDA-51:Wiiのみを開発対象にした理由は、「NO MORE HEROES」のプロデューサーである和田氏からWiiのみを対象にして開発するように強く勧められたからです。このゲームは、実は「Xbox 360」向けに開発するつもりでした。しかし和田氏はWiiに関する情報を持っていて、発売前にその新しいコントローラがどのように機能するのかをわかっていました。それで私に強く勧めたわけです。なぜWiiのみを開発対象にするのか、そのときはよくわかりませんでした。しかし実際に見てその機能を理解した時には、「なるほど」と思いました。そのリモコンは「NO MORE HEROES」にぴったりでしたから。
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