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北米市場最大のゲームショウ「E3 2008」にて感じたこと

GameSpot Japan編集部  
公開日時:2008/07/23 15:39

 北米市場最大のゲームショウ「E3 Media & Bussiness Summit 2008」が終了した。「Xbox 360 Media Briefing」に始まり、数多くの魅力的なゲームが多数披露されたE3は、来場者の目にどう映ったのだろう。
 筆者の主観も交えて紹介していきたい。

マルチプレイではシームレスな途中参加・離脱がポピュラーに

 Xbox 360の市場が強い北米では、同プラットフォームで発売されるタイトルのほとんどが、協力・対戦などマルチプレイが可能で、「Fable 2」をはじめ、数多くのタイトルが途中参加・離脱が可能といったシームレスにマルチプレイを行えるようになっていた。
 これまでのマルチプレイでは、ホストになる人がルームを作成し、それに対して各人が参加、ゲームは足並みを揃えて始めるといったものが多かったが、E3で目にした多くのタイトルは、ゲームを起動した時点で、気ままに遊んでいる友人・知人のセッションに参加するというタイプのものが多かった。
 これは、同じゲームを友人と遊ぶために“待つ”という浪費される時間がなくなるということだ。
 筆者のように深夜に帰宅してゲーム機を起動するような場合、同時刻に帰ってくる業界関係者や、ゲーム内で知り合った同時間帯にゲームを遊ぶ知人とプレイすることが多いが、同じゲームを遊んでいるのであれば、気ままに参加し、寝る時間になれば離脱できるというのは非常に嬉しい機能だといえるだろう。
 また、どうしても自分一人では倒せない敵を仲間を募って倒すということも、途中からフレンドに声をかけ手伝ってもらうなど簡単に行えてしまうとしたら嬉しい機能だろう。
 極端な意見とすれば、難しくて途中で投げ出すようなライトゲーマーも、この機能があればよりゲームを楽しめるようになるのではないだろうか。
 当然、ストラテジーや対戦ゲームなど、公平性が必要不可欠なタイトルでは、当然示し合わせたマッチングシステムが必要となるが、現状のタイトル群から察するに、RPGやアクション性の強いゲームではこの手法が非常に重宝されるかもしれない。

「Xbox 360」vs「PS3」

「SCEは、まずライブラリを充実させるべきだ。」
 マルチ化が進むゲームタイトルの開発者は口を揃えてこう語る。
 マイクロソフトはE3において、Xbox 360のハードウェアのアップグレードは行わず、ソフトウェアからのアップグレードで新しい環境を提供するというソフトウェアベンダーらしい次世代のダッシュボードを公開した。
 他のプラットフォームより1年先行して発売されたXbox 360は、ここにきてようやく開発環境も整いだし、ゲームプランナーやディレクターたちが提案しやすい機能なども揃ってきたようだ。
 またプログラマーたちも充実したライブラリがあれば、思う存分自身の腕を振るうこともでき、彼らの提案をゲーム上で、できる限り反映させることができるようになってきたようにも思える。
 ちなみに、いくつかのタイトルをXbox 360で先行発売するメーカーのプロデューサーたちは「ライブラリが充実しており、ゲーム開発がしやすかったところがXbox 360での先行発売のきっかけとなった」と語っていた。
 PLAYSTATION 3は、スペックシート上では高性能なハードウェアだ。とはいえ、そのプラットフォーム上で動作するためのプログラムに必要不可欠なライブラリなどの提供は今のところ遅れを取っている。
「PS3は将来的に非常に魅力的なプラットフォームだ。しかし、現状ではディレクターが提案したたった一つの処理を試みるのに、プログラマーはCrush & Buildを繰り返さなければならない。これでは我々ゲームディベロッパーは、ゲームの開発に無駄な時間を取られすぎてしまう。」
 両プラットフォームを手掛ける開発者の一人はこう語っていた。
 ゲーム産業は、新プラットフォームに移行し、開発機材の高騰をはじめとする様々な問題を抱えている。企業であれば当然売上を立てなければならないのは当然であるため、このような意見は至極当然であるといえるだろう。

独自路線を突き進む「Wii」と「DS」

 Xbox 360、PLAYSTATION 3のタイトル群に比べると若干少なく見えたWiiやDSタイトル群の中で、任天堂が新たに発表したWii Remote Plusでプレイする「Wii Sports Resort」は非常に楽しく新しい可能性を見出していた。
 フリスビーを投げて犬にキャッチさせる「ディスク ドッグ」では、投げる側の手の角度で試行錯誤したり、「ソードプレイ」では、Wii リモコンを剣に見立て、剣道のようにリモコンを振る人や、ライトセーバーのように構える人などが見受けられた。いずれにせよ、Wii Remote PlusはWiiでの操作に新鮮さを提供しており、Wii発売時に期待されていたインターフェースが実装されたのではないだろうか。
 またWii Musicも、直観的に操作してリズムに合わせて演奏するといったゲームであり、慣れない人でも演奏の輪に混じって楽しめるといった工夫も施されていたのが印象的だ。
 今回発表された、任天堂のゲームは、ステージクリアや勝ち負けといった目的をもつゲームからは外れているという見方もあるが、“プレイした人がゲームとして楽しんでもらえるように”という思いや、そこに焦点が当てられているのが印象が見受けられた。

 一方のサードパーティが制作しているゲームは開発者のセンスが顕著に作品を表しており、その中でもプラチナゲームズの「MADWORLD」のセンスは非常に光っていたのが印象的だった。
 グラフィックこそ白黒を基調としたモノクロチックになっていたが、敵の口に鉄柱を通したり、壁に備えられた針山に敵を刺したり、はたまた敵を持ち上げ真っ二つに裂くといったグロテスクな表現もさることながら、これらをWiiリモコンを使っての操作で楽しむことができてしまうあたりはリモコン操作をうまく利用したセンスの良さを感じ取れる。
 とはいえ、ゲームの表現部分では、筆者を含めたメディアスタッフに「これは日本で出せないだろ、しかもWiiでしょ」とを発売を危ぶむ声を出させてしまう過激な内容になっている。ゲームデザインのセンスは非常に光るものがある作品なだけに、日本でも発売してほしいくらいだ。
 そのほかにもいくつかのWiiタイトルもあったが、逆になぜWiiで出すのかと不思議なタイトルも散見していた。ディベロッパー側も既存の概念にとらわれなければWiiで楽しめるゲームも出るのではないだろうか。

洋ゲーと和ゲーの行きつく先は!?

 北米産のゲームに比べ、技術的にもセンスとしても遅れを取っていると言われる日本産のゲームを好意的に受け入れる人も以外にも多かった。
「日本のゲームは、ストーリーやチュートリアル、各仕様に対する作り込みのきめ細かさが非常によくできているよね。僕は日本のJRPGが大好きだから日本にきたんだ。」
 海外メディアの日本在住特派員は、日本のゲームについてこう語っていた。たまたま今回のE3でも顔を合わせたが、親日家の彼はE3会場でも日本産のゲームを遊んでいたようだ。
「いつもそうだけど、FPSをベースにした作品ばかりだよね。ストーリーやエフェクトが変われば楽しいって人もいるけど、僕は新しいジャンルが遊びたいな。」
 アメリカ在住であっても、こう語るスタッフも多かった。海外産のゲーム(洋ゲー)といえばFPSかTPSが多いのは確かだ。
 とはいえ、海外のゲームはゲームのベース部分はしっかりと押さえたジャンル作りをしてきており、別のゲームにあった良いところを自身の作品に導入したり、また別のジャンルの要素を引っ張ってくるといった大雑把でありながら、見事なアクセントを加えて実装している。
 たとえば、今回展示されていた「FallOut 3」はRPGでありながら、FPSの要素をうまく取り入れており、Aimingがうまい人であれば、ヘッドショットを狙って敵を蹂躙するようなプレイが可能で、FPS部分が苦手な人であってもコマンド方式で各部位を狙えるような仕様になっている。そのほかにも、2つのジャンルをミックスしたタイトルが展示されており、どちらか一方のジャンルを好むユーザーでも楽しめるような配慮がされている作品も多数存在した。

 10月に開催される「東京ゲームショウ2008」では、日本産ゲームの巻き返しにも期待したい。


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