PSP用「God of War:Chains of Olympus」レビュー
翻訳校正:石橋啓一郎
「God of War II」のマニュアルでその存在がほのめかされて以来、「God of War:Chains of Olympus」はPlayStation Portable(PSP)でもっとも期待されるゲームの1つだった。待ち時間はようやく終わったが、問題は「待った甲斐があったか」ということだ。答えは、ほぼ全面的に「イエス」だ。戦闘、レベルデザイン、暴力、セックス、神話のすべてがここにある。少しだけ簡略化された形で。
Chains of Olympusは、PSPのゲームの中でももっとも美しいものの1つだ。
God of War:Chains of Olympusのストーリーは、最初のPlayStation 2(PS2)版「God of War」よりも前の話になるため、シリーズ第1作でクレイトスのねじれた人生に何が起こり、何が起こらなかったかを思い出すのに少し苦労するかも知れない。今回のゲームの時点では、クレイトスはオリンポスの神々に仕えることだけを目的とする将軍だ。Chains of Olympusのゲームの過程で、神々の命令はクレイトスに一定の道徳的なジレンマを作り出し、彼は神々の命に従うか、それとも自分のために最善のことをするかという判断を迫られる。このゲームではストーリーは大きな役割を果たすわけではないが、これはGod of Warであり、プレーヤーはなぜクレイトスが腹を立て、神話の生物たちを無謀な奔放さで殺戮するのかを知る必要がある。
いくつかの例外を除いて、Chains of Olympusでの戦闘はこれまでユーザーが馴染んでおり、楽しんでいたものと同じだ。操作感はタイトで、一般的に言って非常によいものだ。攻撃を避けるには、LボタンとRボタンを同時押しにしたままアナログパッドを動かす必要があり、慣れるにはかなりの練習が必要だが、慣れてしまえばうまくいくようになるだろう。クレイトスはブレイズ・オブ・カオスを使って弱攻撃と強攻撃を行うことができ、特定の単純なボタン押しパターンでコンボも出すことができる。ゲームを進めれば第2の武器であるゼウスのガントレットを入手することができるが、これはクレイトスが敵を殴るときに使う巨大な小手だ。これは追加の武器としては申し分なく、使って楽しいものだ。ただ、ゲーム内で代わりの武器として使えるものがこれしかないのは残念だ。魔法も若干限られているが、その代わりいくつか他の能力を身につけていくことになる。もっとも役に立つ能力は、最初に入手できるイフリートで、これは近くにいるすべての敵にダメージを与えるものだ。他の能力はあまり役に立たない。敵を倒すと赤いオーブを入手できるようになっており、これを消費して新しい攻撃を身につけたり、武器や魔法をアップグレードする。今回も隠された宝箱が用意されており、赤いオーブやゴルゴンの目、フェニックスの羽などを入手できる。これらを十分な数集めれば、体力やマジックゲージの上限を増やすことができる。宝箱と赤いオーブはかなり多く入手できるため、ゲームの終わりまでにクレイトスのすべての能力を最大にするのは難しくないはずだ。
オープニングの場面が終わると、ユーザーはペルシアの兵とペルシアが町の中に放した巨大な爬虫類の動物であるバジリスクからアッティカを守る、壮大な戦いの最中に放り出される。ゲームの中では、アッティカやいくつかの巨大な洞窟を戦いながら通り抜け、最後には死者の国であるハデスに至る。各レベルは直線的な構造になっているが、ボーナスアイテムが得られるいくつかの枝分かれルートも存在する。Chains of Olympusは「God of War II」よりも戦闘に重きを置いている。プレーヤーは時々、像や他のアイテムを動かして光を反射させたり、圧力スイッチを動かして扉を開ける必要があり、他にも穴を飛び越えたり泳いだりする場面もあるが、多くの場面では地面の上で、歩兵、セイレーン、メデューサ、サイクロプス、そしてその他の神話の生物と戦い、扉を開いたり、魔法の障壁を突き破って次のエリアに進む。アクションが重視されていることから展開は速く、戦闘はこれまで以上にすばらしいが、時々ある謎解きや綱渡り的アクロバットなどは減った。
もちろん、クリア後はいくつかの特典が得られる。デフォルトの難易度でゲームをクリアすると、コンセプトアートを見られるようになり、ボーナスコスチュームを使え、動画を見られるようになる。難易度が非常に高いゴッドモードをクリアするか、Challenge of Hadesの5つの課題をすべてクリアすれば、その他の特典が得られる。Challenge of Hades(ハデスの試練:ハデスは冥府の神)はその名の通り、難しいものになっている。
このミニゲームは、今回も採用された多くの機能のうちの1つだ。
Chains of OlympusはPSP用のGod of Warに欲しいと思われるものを、ほとんどすべて備えている。家庭用ゲーム機から携帯ゲーム機にシリーズが移植される時には、一部省略される要素が出てくるのは仕方がないことだし、Chains of Olympusでどうなっているかを記しておいた方がいいだろう。このゲームの最大の問題は、新しい要素がほとんどないことだ。使い古しのセックスミニゲームまで入っている。確かに、これはシリーズのファンのお馴染みで好かれている要素だが、ゲーム内容については少しでも新しいアイデアが導入されていればもっとよいものになっただろう。このゲームはむしろ逆の方向に向かっており、実際部分的には簡略化されているように感じる。武器もレベルも少なく、ボス戦も少なくなっている。それでも、素早くボタンを押す必要のあるミニゲームは多く残っている。ひょっとすると多すぎるくらいだ。
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