【GTMF2008】「SIREN:New Translation」におけるMayaとMotionBuilderの開発事例
ゲームの開発ツールとミドルウェアの展示会である、「Game Tools&Middleware Forum」内において、AutoCAD、3ds Max、Mayaなど、3Dグラフィックスの設計ツールを制作/販売するAutodeskの提供セミナーでは、20087年7月24日にPLAYSTATION 3で発売される「SIREN:New Translation」の3Dモデリングの開発事例が講演された。
本セミナーでは、ソニー・コンピュータエンタテインメント ワールドワイドスタジオ JAPANスタジオグラフィックデザイン部 山口由晃氏、Gavin Moore氏の両名が登壇し、「SIREN」における、MayaならびにMotionBuilderが活用したキャラクターモデリング
のワークフローについて紹介。
講演のトレイラーの上映の後、山口氏による講演が行われた。
まず山口氏は、本作におけるキャラクターデータのフェイシャル部分の重要性を強調。キャラクターのモデリングにあたり、役者の顔を8方向から撮影、3Dスキャンし、スケジュール表のもと撮影を行ったことを明らかにした。
前述の通り、「SIREN」ではホラーゲームであるため、顔の表現が重要になる。このため、細かいデータを取って作成を行う必要があるが、非常に少数のスタッフで制作をしているために発生しうるヒューマンエラーを防ぐため、管理ツールを使うことで細かい設定なども読み込めるようにできている。
SIRENでのキャラクターパターンは、150種類ほど存在し、実際のモデリングでは撮影した画像をテンプレート状のものにし、モデリングを施している。1キャラクターあたりのポリゴン数は1万程度で、その中から顔に対しては2000程度を使用しているとのことだ。
「SIREN」では、天候や地面の状態、またはシナリオ上のバージョンで各パターンが存在するが、これらのパターンはMaya上で管理している。
キャラクターモデリングを最適化する際には、テクスチャの持ち方などが重要であるため、UVを解像度の変更に対応できるようツールを作成している。
またスキニングでは、敵キャラのウエイトマップでは基本部分ではペイントウエイトを使って行っている。
ムービーなどでは、このままでも可能だが、ゲームでは1頂点ごとの設定を細かく行う必要があり、かつSIRENでは、1頂点に割り当てられるインフレンス(ジョイント)の数が5つ以上を超えてしまうと処理が重たくなるということもあり、基本的には4つのウエイトで作成したとのこと。
講演では、実際のデータに意図的に5つ目のウェイトマップが割り振り、カスタマイズしたツール上で修正、管理したことを説明していた。
Maya上では、デフォルトで0.05以下のウェイトがあった場合は、これらを0に設定してくれるツールが存在するが、山口氏は、最適化の際にスキンクラスタの際にインフレンスの数が多いとデフォルトの機能では、任意のジョイントを選べなかったため、ツールを作成し、これら削除履歴から確認できるようにしたといった事例が挙げられていた。
さらに、通常のペイントウエイトで、ボーンを選択するとカラーで表示される機能があるが頂点カラーの確認はしづらいため、確認部分でツールを作成しているといった内容も語られた。
そのほかにも「SIREN」では、敵キャラクターである屍人(しびと)に、人型ではあるが、蜘蛛のように天井や壁などを自由に歩き回る動きをするキャラクターが存在するため、非常に厳しいエクスプレッションボーンの設定が必要になるといった説明が行われた。 こちらの事例でも、カスタマイズしたツールを使用し、スパイダーなどカテゴライズした項目を選択し、足の骨を曲げた際に生じる筋肉の伸縮の同期を取り、違和感をなくしているようにしている。
また羽屍人といわれる羽の生えた屍人は、テクスチャーアニメーションを採用し、壁に張り付いた際に羽がカモフラージュされるといった作業効率を上げていく手法が語られていた。
山口氏の最後の説明では、フェイシャルの部分でのモデル情報を作成し、アニメーションをインポートする簡単なツールも作成、フェイシャルのモーションに合わせた体のモーションの制作事例が紹介された。
山口氏は「SIREN」の開発で初めてMayaを採用したが、「カスタマイズ性が高く、ゲームで使用する際は、不思議な設定を多用するため、今回の開発には非常に役にたった。」とコメントしていた。
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