E3に行かないジャーナリストたち--ゲームは自宅で取材の時代?
翻訳校正:川村インターナショナル
2008年7月15日〜17日にかけてロサンゼルスで開催された毎年恒例のE3 Media & Business Summitには、世界中のゲームジャーナリストが集結したかのような賑(にぎ)わいを見せた。しかし、ジャーナリストの中にはさまざまな理由から2008年のショーには参加しなかった者も少なからず存在した。
単にタイミングが悪くて参加できなかったジャーナリストもいる。Digital Trendsの発行者であるScott Steinberg氏は、娘が生まれたばかりなので家にいなければならなかったが、E3に参加できなかったことをあまり残念には思っていない。「仰々しい記者会見や『Gears of War 2』の血だらけのデモより、娘の笑顔を見ている方がいい」(Scott Steinberg氏)
本業に精いっぱいで、ショーに行けなかった者もいる。「現在の仕事は6月の終わりに会計年度末を迎え、7月初旬はその仕上げで信じられないほど忙しい」とフリージャーナリストのPat Mulhern氏は言う。「つまり、E3のために数日間休暇をとってカリフォルニアに行っている余裕はないということだ」(Mulhern氏)
多くのフリージャーナリストにとって、費用も大きな問題だ。1週間に及ぶショーのための交通費、食費、そして宿泊費を自費で支払わなければならないからだ。「私のようなフリージャーナリストにとって、2008年のE3に参加する費用を賄いながら利益を上げるのは不可能に思えた」とErin Bell氏は述べている。「高騰する燃料費と航空税も問題だ。旅費はどんどん値上がりしており、特にカナダからアメリカへの国際線となるとそれが顕著だ」(Erin Bell氏)
フリージャーナリストのMark Crump氏は、「編集者全員と顔を合わせ、広報の人たちに会うことができる年に1度の機会だから」という理由で、ショーに行くための費用を自分なりに納得して支払っていた。しかし2008年は、損益を考え、ショーは参加するに値しないと判断した。「航空料金を埋め合わせできれば良い方だろう。ショーを取材して収支が釣り合うことはあり得ないし、ましてや利益を上げるなんてとんでもないことだ」(Crump氏)。安定した地位にあるジャーナリストの中にも、費用を正当化するだけの理由を見いだせなくなってきている者がいる。「予算は厳しく、旅費は決して安くない」と、久しぶりにE3を欠席した理由についてWashington PostのテクノロジーコラムニストであるMike Musgrove氏は説明している。
もちろん、E3自体により厳格な完全招待制(2007年のショーから開始)が導入されたため、出席したくても出席できなかったゲームジャーナリストもいる。2007年には広報やゲーム会社に文字通り「懇願」して招待してもらったtheBBPS.comのDan Zucarelli氏だが、2008年は最初から参加を取りやめることにした。「2007年の体験は屈辱的だっただけでなく、その展示内容にかかわらずゲーム会社に対して好意的な記事を書くことを事実上保証する形になった」と同氏は言う。「GDC、PAX、Digital Life、VGXPO、X08、Comic-Conなどのイベントの取材では取材者証を申し込むだけで良いのに、どうして招待状をもらうために何でも言いなりにならなければいけないのか。E3は高級ナイトクラブなどではなく、単なるゲームイベントのはずだ」(Zucarelli氏)
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