レビュアーの自由とは--「書くな」と言われたら何を書くべきか
翻訳校正:川村インターナショナル
本コラムでは普段、ゲームジャーナリズムの話題や人物を幅広く取り上げているが、単独で記事にするまでには至らないような小さなトピックも数多く存在する。ここでは、そうした話題のいくつかを短く、定期的に紹介していく。
書くな、と言われたら何を書くべきか
7月初め、ジャーナリストとゲームパブリッシャーとの間に複雑な「持ちつ持たれつ」の関係が存在することを多くの人が知ることとなった。この関係を暴露したのはMTVのMultiplayerブログ。記事によれば、KONAMIは、レビューのため「メタルギアソリッド 4」を早期に提供されたレビュアーに対し、インストール時間とカットシーンの長さについてレビューで言及することを禁じたのだという。Multiplayerの記事が公開されたその日のうちに、IGN UKが本作のレビューで「KONAMIは、発売前にメタルギアソリッド 4をプレイさせることの代償として、話題にしてはいけないことのリストを提出してきた」と認め、このうわさを事実上裏付ける形になった。その数日後、小島プロダクションのチームメンバーの1人がそのリストの正確な内容をKotakuに漏らし、さらにその数日後、「KONAMIは文字通り最後の最後に『秘密保持契約』を突きつけてきて、それに署名するまではその場から帰さないとはっきりと述べた」、という1UPのJeremy Parish氏によるショッキングな告白へと続いた。
レビュー用にゲームを早期に提供されるレビュアーにとって、秘密保持に関する契約は非常に一般的なものだ。通常、このような契約では、ゲームの内容について話題にすることを特定の日付まで禁じている場合が多い。また、事前に知ってしまうとゲームを台無しにするような、ストーリー絡みの要素について言及することを禁じている場合もある。しかし、KONAMIの秘密保持契約はさらに踏み込んだもので、ゲームレビューの公正性に直接かかわる技術的な詳細を公表しないようレビュアーに要求したのである。GameSpotのKevin VanOrdは、自身のレビューブログでこの件についてうまくまとめている。「ゲームに関連する情報をレビューから除外するようパブリッシャーが要求するのは、完全に間違っていると思う。レビューにとってもっとも重要な情報が何なのかを決めるのはジャーナリストであり、開発者やパブリッシャーではない」
それでは、ゲームパブリッシャーからこのような要求を突きつけられた場合、ジャーナリストはどうすべきなのであろうか。1つの方法は、今回のKONAMIの件でGameSpotやElectronic Gaming Monthlyなどが行ったように、少し遅れてでも、店頭に並ぶ製品版のレビューを提供することだ。しかし、レビューの時期が遅れると、読者にとっての価値が薄れ、レビューを書くメディアにとってのメリットも減るため、満足のいく解決策とはいえない。より良い選択肢はおそらく、パブリッシャーからの不当な要求を匿名でメディアにリークし、その行き過ぎた行為を世間に訴えるということであろう。こうした状況が明らかになるたびにメディアが断固として訴え続ければ、パブリッシャーはレビュアーの発言を制限することにそれだけの価値はないと気付くはずだ。
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