ライセンスもののゲームに依存するパブリッシャー
翻訳校正:石橋啓一郎
ライセンスがゲームの売上に繋がることはよく知られているが、今週THQとAtariから発表された年次報告書からは、パブリッシャーがどれだけ他社の知的財産に依存しているかを見て取ることができる。
THQは近年、繰り返し同社の安定したミリオンセラーシリーズについて宣伝しているが、それらのゲームは常に期待通りの結果を残しているわけではない。特に、2007年の「Stuntman: Ignition」と「Juiced 2: Hot Import Nights」は期待はずれで、THQは両シリーズを無期限に棚上げにした。
THQにとっては幸運なことに、その結果生まれた穴の一部をライセンスもののゲームが埋めつつある。THQは報告書の中で、同社の3大ブランド(World Wrestling Entertainment、Pixar、Nickelodeon)に基づくゲームが、同社の2007および2008事業年度の純売上高の54%を占めていると述べている。この3大ブランドの割合は、2006事業年度には47%だった。
最近はWWEの売上高が上昇しており、2007年には2億3200万ドルに達した。これはTHQの総収入の約25%にあたる。この数字は、2006年には1億6600万ドル、2005年には1億3500万ドルだった。
「WWE SmackDown vs. RAW」シリーズについてはPLAYSTATION 3版、Wii版、DS版が発売されており、この急上昇はまったくの不意打ちだったというわけではない。2006年には同シリーズ最初のXbox 360版が発売されている。拡大していく新しいプラットフォームはもう残っていないが、WWEシリーズの売上高は今後も伸びていくかも知れない。第2のWWEゲームである「Legends of Wrestlemania」の発売スケジュールが決まっており、2009年3月に行われる毎年恒例のWrestlemaniaペイパービューイベントに合わせて発売されることになっているためだ。
社内開発スタジオを売却したAtariもライセンスもののゲームに大きく依存しており、その中でも特に「ドラゴンボールZ」が大きい。同社の年次報告書によれば、Atariは2008事業年度の歳入の49%をドラゴンボールZから得ており、これは2007事業年度には45.7%だった。
ドラゴンボールZからの歳入の相対的な比率は増えているにも関わらず、このシリーズの売上高の金額は減少している。Atari自身が発表した統計によれば、2008事業年度のドラゴンボールZ関係のゲームの売上高は3934万ドルであり、その前年の5588万ドルよりも下がっている。ただし、Atariは2008年6月にこの有名シリーズを「ドラゴンボールZ バーストリミット」で初めてXbox 360とPS3で発売したため、今年に関しては成績は上がるかも知れない。
THQとAtariの共通点は、知名度の高いライセンスゲームへの依存度の高さだけではない。この2社はどちらも、これらのシリーズの権利者との間で法的な争いを経験している。WWEは何年もの間THQとのライセンス契約を無効にしようとしており、2007年にゆすり行為の問題での訴訟が棄却されているが、WWEはTHQに対する別の訴訟を続けている。一方、Atariは2007年にドラゴンボールZの権利者であるFUNimationから受けた訴訟で和解しており、この和解によりAtariは350万ドルを支払っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ




