【GTMF2008】ゲームはテレビから離れるしかない!?--メディアクリエイト 細川氏が語る出力デバイスの革新
ゲームの開発ツールとミドルウェアの展示会である、「Game Tools&Middleware Forum」(以下:GTMF2008)が、本日2008年6月4日よりスタートした。
本日開催の東京会場に続き、福岡会場は6月13日(金)、大阪会場は6月17日(火)にそれぞれ開催となる。
メディアクリエイト 代表取締役 細川敦氏
さて、本日開催されたGTMF2008 東京会場では、「第3のゲーム機って、アリ?!」というタイトルで、メディアクリエイト 代表取締役 細川敦氏による基調講演が行われた。
細川氏はからは、これからおきる(もしくはすでにおきている)テレビの変化と、テレビの発展にともない広がってきたゲーム機が今後どのような変化を求められるか、という点について語られた。
テレビは再び“一家に一台”の時代に
「ゲーム機の歴史は表現力追求の歴史」と語る細川氏は、テレビが家庭に1台から個人に1台にかわってきたが、数年前からのハイビジョンテレビ登場で再び課程に1台へとテレビのポジションが変わってきているという。
そうなると、リビングルームにおかれているであろうハイビジョンテレビは取り合いになり、長時間占有するのは難しい。据置型ゲーム機は、リビングルームにあるテレビをどのようにシェアするのか? という課題に直面しているというのだ。
現在の携帯ゲーム機の急速な普及は、テレビを占有しない「スタイルフリー」という性質が大きな要因になっているのではないかと、細川氏は分析する。
それを裏付けるかのように、メディアクリエイトの調査でも携帯ゲーム機をプレイする場所は、70%以上が自宅だという結果が出ているとのことだ。
“IPTV”で様々な関係がリセットされる
また、細川氏は今後インターネットとテレビが接続する新しい姿“IPTV”では、さらに多くの変化が訪れると語る。
その変化について細川氏は、
「ユーザーとゲーム機との関係を変えていく。ユーザーとテレビの関係を変えていく。そそて、ユーザーとインターネットの関係をかえていくと、任天堂の岩田社長は多くの講演で語っている」
と任天堂の岩田社長の言葉を例にあげ、ユーザーとコンテンツの関係がまったくかわり、テレビを巡る関係はさらに変化し、すでにそこに向けてハードメーカーは動き出していると語った。
そして、ハードメーカーからの視点として見た場合、「テレビからはずされない」もしくは「テレビを制する」という関係のどちらかを選択せざるえなくなり、現在のメインプラットホーム3機種(Wii、PS3、Xbox 360)は全て“テレビを制する”という思想をもっているという。つまり、ゲーム機は今後、IPTVとネットをつなぐセットトップボックスとしての役割でテレビを従え生き残ろうとしているというのだ。
特にWiiについては、Wiiが主従関係で言う“主”となり、「Wiiがテレビをマネジメントしていくんだ」という思想が強く表れているという。
そして、今後のテレビのありかたは一つのテレビに多くの番組・情報が映し出される「マルチコンテンツ」となるのは確実で、コンテンツの大競争がおきる。それは、ながら試聴がさらに加速することを意味しており、その中でPPVのようにコンテンツ1つに対して課金されるようなビジネスモデルはニッチになっていくに違いないと細川氏は予想する。
また、普段では格付けすることのできないような個人の趣味嗜好も、見られている番組のランキングなどが表示されるようにより、コンテンツ間の格差が拡大していくとも語った。
そんなコンテンツビジネスは、今後通信インフラとセットトップボックス(ゲーム機)のパッケージ契約にインクルードされ、「1コンテンツにいくら」という買い方をする人は、全オーディエンスの10%程度しか取り込むことができないという。
この事柄について細川氏は非常に注目すべき事柄として
「任天堂がNTTと強力な連携をおこなっている点をおもいだしてほしい。ゲーム機にとって、どの通信キャリアと組かが勝負の分かれ目になる。NTTとWiiのタッグは、相当に強力ではないかと思っている。Wiiの優位性はリモコンやソフトの方向性などもあるが、それ以上にNTTと組んでいる点だと考えている」
とも語った。
ゲームはテレビから離れるしかない!?
「ハードウェアは伸びたが、ソフトの装着率が縮小している現在では、ハードの伸びに合わせてソフトも伸びていくのは、もう幻想でしかない。ゲーム機はテレビを制するかも知れないが、コンテンツは大競争時代に翻弄されるだろう。当面は、ニッチな市場で競争にさらされる配信ビジネスより、パッケージビジネスが優位」(細川氏)
新しい入力デバイス(ニンテンドーDS、Wii)が新たな市場を切り開いたのは紛れもない事実で、そろそろテレビゲームは新しい出力を求める時代になっていると語る細川氏は、その出口の一つとして、プロジェクターをあげた。
大画面化は容易だが高解像度高輝度ではテレビにかなわないというのが、プロジェクターに対しての一般的なイメージだ。しかし細川氏は、現在のプロジェクターは進歩はすさまじく、なんと数年後には携帯電話にプロジェクター実装される可能性があるレベルにまで発展しているという。
そのようなポータブルに使えるプロジェクターが登場すれば、既存のセンサー等との組み合わせにより、本当の意味でのテーブルゲームが登場するのではないか? と細川氏は語る。
例えばテーブルに投影された画面を指輪のようなセンサーを使って自由に操作するようなことも可能になる。手そのものが入力デバイスになるのではないか、と細川氏は未来の展望を述べた。
「アイデアと才能で新しいものを生み出していくというゲームクリエイターの活躍の幅は、確実に広がることでしょう」(細川氏)
ゲームクリエイターは遊びのクリエイターへ
入力デバイスの革新から5年。次に起こるであろう出力デバイスの革新は、ゲームクリエイターに大きな競争とともに可能性も生み出すと語る細川氏は、最後にこのように語った。
「ゲームソフトのビジネスは翻弄されていくでしょう。その中でどのように生き残っていくのか? 奔騰されるテレビの中でガチンコ勝負するのもいいでしょう。しかし、テレビ以外の選択肢もあると思います。そして、その可能性は排除すべきではありません」












