スクウェア・エニックス&ニフティ カジュアルエンタテインメント・ポータル事業で業務提携 スマイルラボを設立
スクウェア・エニックスとニフティは、2008年3月17日東京・帝国ホテルにて、インターネット上における男性・若年層に加え、女性・シニア層などカジュアルユーザーを対象としたカジュアルエンタテインメント・ポータルサービスの開発、提供において、業務提携を行うことを発表した。
今回の提携に先立ち、スクウェア・エニックスは、2008年2月29日にスマイルラボを100%出資により設立。スマイルラボは、2008年夏より開始予定のカジュアルエンタテインメント・ポータルサービスの運営を行う予定となる。
親会社であるスクウェア・エニックスでは、同社に対しての良質なコンテンツ・サービスの開発力の提供。提携先のニフティでは、豊富なコミュニティ運営ノウハウ、同社が運営するインターネットサービス「@nifty」やブログサービス「ココログ」の集客力を活用していくこととなる。
今回の発表会では、それぞれの代表であるスクウェア・エニックス代表取締役社長 和田洋一氏、ニフティ代表取締役社長 和田一也氏、そして新設されたスマイルラボ代表取締役社長 伊藤隆博氏が登壇し、スクウェア・エニックス代表取締役和田洋一氏より、「今回の提携により、カジュアルエンタテインメントの部分では、Webといった新しい場所に住む人々にエンタテインメントを提供していく事業を行う」ということを表明。
また、スクウェア・エニックスでは制作されている人気シリーズタイトル、ファイナルファンタジー、ドラゴンクエストといった作品は、質は高いが開発側で作り込んでユーザーへ提供する作品という色合いが強く、今回のサービスはユーザー自身が主役となるように、またカルチャーに沿った作品を提供していくとブランディングの明確化を説明した。 ニフティとの提携理由としては、新規参入をするにあたり、自分たち(スクウェア・エニックス)だけでは限度があるので、ユーザーベースでも内容についても十分なニフティさんと提携したとのことだ。
業務部分のスキームでは、新たに設立されたスマイルラボでコンテンツサービスの企画、制作などを行い、課金などの部分ではニフティと提携するという流れになる。
スクウェア・エニックス和田氏は、ブランドとはユーザーと会社との接点であり、また、なぜ新設会社が行うかという部分では、スクウェア・エニックスというブランドについての考え方がある。カジュアル向けのサービスという部分で、ユーザーがスクウェア・エニックスに求める象と別のものを提供してしまうと、ギャップが生まれてしまう」という。
このギャップについてという部分では、「ファイナルファンタジー(FF)のファンが1000万人いるとした場合、1000万人にカジュアルゲームを提供しようとしても、ファンはFFを待っているのであって、カジュアルゲームを待っているわけではない」と主張していた。
そのため、ブランド部分でのギャップを解消すべく、新ブランドとして、100%出資の子会社スマイルラボを設立し、ユーザーとの新しい接点を作り、今まで我々スクウェアエニックスで捕捉できていなかったユーザーに新しいサービスを提供する」というのが今回の提携理由であり、スマイルラボの設立経緯のようだ。
将来的にはスマイルラボの提供するサービスにより、Webは大きなジャンルであるポータルやコンテンツサービスという枠組みではなく、総合的なエンターテイメントサービスとして、F1層など、これまで獲得できなかったユーザー層の捕捉を進めていくという。 「ようやくスクウェア・エニックスがこの分野に参入していく」ということ改めて強調していた。
ニフティの和田氏は、ニフティは「安全・安心」から「楽しさへ」をモットーにしており、パソコン通信時代(NIFTY-Serve)から育んできたコミュニティなどの規模をアピールしたほか、スクウェア・エニックスのPlayOnlineの決済代行も行っているといったことや、ニフティがサービスを提供するインステージ広告なども同社と共同で開発したことを説明。
またスクウェア・エニックスはオンラインゲームという究極のコミュニティを保持しており、今回の提携ならびに事業は2008年の中心事業として行っていきたいと意気込みを語っていた。
事業提携を受けて、運営、開発などを取り仕切るスマイルラボでは、提供するサービスはインターネット上のコアなゲーム層ではなく、カジュアルユーザーにサービスを提供することが目的だとういう。
同社代表取締役 伊藤隆博氏は、「スクウェア・エニックスのコンテンツ制作能力、ニフティのメディア力を使って提供していきたい。」と語っていた。
コンテンツの部分では、セカンドライフのようなアバターコミュニティは、独自に制作した「かわいいセカンドライフ」の提供、同世界での映像コンテンツの共有や仮想通貨によるマイハウスの購入などを構想中だという。
3Dのバーチャルコミュニティであるかという問いに対しては、低スペックのPCでも稼働するよう、AdobeのFLASHテクノロジを採用した2DのWebアプリケーションを作成中だという。ある程度のエンジンが構築できた際には、それらをAPIとして公開し、より広い世界間やサービスを提供することも目的としているようだ。
また、コンテンツとして配置されるゲームもFlASHを起用し、一人用ではなく、通信対戦ができるカジュアルゲームを予定しているとのことだ。
なお、本サービスの開始時期は2008年の夏を予定しており、初年度の目標登録会員数は50万IDとしている。
課金モデルには、基本サービス無料のオンラインゲームでいうところのアイテム課金を予定しているとのことだ。
バーチャルコミュニティが乱立しはじめた日本で、2008年2月29日という設立記念日が4年に1回訪れる企業は、今後PC向けコンテンツをはじめ、携帯電話向けコンテンツをこれまでの若年層、男性層をはじめ、女性、シニア層を含んだ顧客層をカジュアルエンタテインメント・ポータルというサービスで獲得していけるのだろうか。
そのサービスの片鱗が見える頃に期待したい。




