レベルファイブ 日野晃博氏に聞く--次の10年のために新しい作品を生み出すこと
--パブリッシャーとしてニンテンドーDSへ参入されましたが、これも今後10年を生き残っていくための施策ということなのでしょうか。
そのための施策という以前に、単純にクリエイターとしてニンテンドーDSという面白いインターフェースを持った機械で、ゲームを作りたかったというのがきっかけです。
デベロッパー事業は、レベルファイブとしては簡単に無くなることはないでしょう。ただ、パブリッシャーのウェイトは高めていきたいと思っていますので、スタンスとしては半々でやっていくことになると思います。
ただ、実際に「レイトン教授と不思議な町」を販売した後に感じたのは、しっかりとした商品をニンテンドーDSへリリースしていくことは、メーカーとして戦略的に正しいと感じました。
新しいシリーズを低予算で制作できるこのハードウェアではいろいろな実験ができるので、それを一つでも成功させて次の世代に生き残っていく、ゲームフランチャイズを作るということが大切で、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」に次ぐようなシリーズの開発をしないといけないと思います。
--WiiやPS3などの据え置き型ゲーム機には、パブリッシャーとしてのレベルファイブは参入する予定ですか
いずれ参入することにはなると思いますが、今の時点で具体的にどのような施策をとるかは分かりません。ただ、将来的には、WiiやPS3などは必ずやっていくことになるでしょう。
--据え置き型、それぞれのプラットホームに対しての印象を教えてください。PS3はいかがでしょうか。
PS3はこのままでは終わらないと思います。
ハードウェアとしてはすごく魅力のある部分を持っていますが、現在のところ、どのソフトメーカーもPS3に慣れるまでに時間がかかっているという状況です。ですから、ライブラリやエンジンがそろってくると、高いトータルパフォーマンスを持つPS3には、有利な点がたくさん出てくるでしょう。
ただ、みんなが作り慣れてきたときにはPS3は開発者にとってパフォーマンスがだせる良い機械になっていると思いますが、その状況になるまでPS3がしっかりと今のポジションをキープし、現状維持しつづけられるかどうかという点は気になる部分です。
PS3の良いところはまだ出ていませんから、その時期まで市場やユーザー含めて、皆が待てるのかどうかにかかっていると思います。
--開発者からはPS3の開発が大変だとよく聞きますが、それほどに大変なのですか
大変ですね。
でもそれはPS3の開発が大変ということではなく、あれだけのグラフィックをもった作品を最高のデータを入れて作るということそのものが大変なのです。あらゆるものがムービーレベルのハイクオリティなグラフィックですから、そのレベルにそろえたデータを用意するというのは、非常に労力を必要とします。
--Wiiについてはいかがでしょうか
新しいインターフェースを持ったものは、それだけでゲームになるので新しいゲームを作りやすいというのはあります。
ただ、やはりインターフェースだけというのは時期がくれば必ず飽きられます。ゲームとして奥が深いというものを、ある時期から考えていかないと思います。
そうなった時には、状況が変わってくるでしょうね。
--海外では好調のXbox 360ですが、どのように感じていますか
僕は、Xbox 360というハードウェア自体は好きでゲームも買うのですが、何か「きっかけ」が必要だとは思います。
「ブルードラゴン」や「ロストオデッセイ」、「HALO 3」など、素晴らしい大作ゲームは出ていますが、それはずっと前からみんなが待ち望んでいたものです。
それはそれで必要だと思いますが、プレイステーション(PS)の「パラッパラッパー」のような、当初、個性的なタイトルがすごい話題になったように、「あのゲームってXbox 360らしいよ?」と言われるような、予想外なニュースが流れるようなタイトルの登場が必要なのではないかと思います。
そういう意外なタイトルが出てくると、それをきっかけに話題となって広がっていくのだと思いますが、今は待ち望んでいたタイトルが待ち望んでいるタイミングで登場するので、驚きもなく好きな人だけでじわっと広がっているだけに感じます。
Xbox 360が日本国内でビジネスになるためには、もう一息、そういったイベントが必要なのではないでしょうか。



