日米に迫るカナダゲーム産業--英国を凌ぐ第3の勢力になった理由を探る(前編)
翻訳校正:アークコミュニケーションズ、瀧野恒子
「日米に迫るカナダゲーム産業--英国を凌ぐ第3の勢力になった理由を探る」では、カナダのゲーム産業がどのようにして急成長するに至ったのかを前編、後編に分けてレポートする。本編はその前編記事である。
ゲーム産業は、もはや小規模市場ではない。「Halo 3(ヘイロー3)」「グランドセフトオート:サンアンドレアス」「ザ・シムズ」などの売り上げトップのゲームタイトルは、何百万本も売れる。ゲーム産業の規模は現在、全世界で300億ドル規模と推定されている。2007年に入ってからPricewaterhouseCoopersが発表したレポートによれば、2011年には、世界のゲーム市場の規模が489億ドル相当になると予想される。この数字に寄与する2大ゲーム生産国は当然ながら米国と日本だが、そこへ新たなライバルが登場し、第3位をさらった。それがカナダである。
カナダのゲーム産業は、大幅な急成長の結果、現在は英国を抜いて世界第3位のゲーム生産国となり、英国は第4位に転落した。Games Investor Consultingの調査によれば、カナダは2006年の欧米市場のゲーム小売売上高の13.2%を占め、それに対して英国は12.4%であった。
Electronic Arts(EA)、コーエー、カプコン、Ubisoftなどの国際企業はカナダに拠点を開設し、「トム・クランシーシリーズ スプリンターセル カオスセオリー」、「レインボーシックスベガス」、「アサシン クリード」、「ニード・フォー・スピード カーボン」をはじめとする最近のゲームはカナダで開発された。
2007年2月には、英国のパブリッシャーであるEidos InteractiveがStephane Dastous氏率いる新スタジオをモントリオールに開設すると発表した。このスタジオは現在、「Deus Ex 3」の開発を進めている。カナダのゲームメーカーとしては、Silicon Knights (「Too Human」)、BioWare (「Mass Effect」)、Digital Extremes (「Unreal Tournament」シリーズ)などがある。
「Entertainment Software: The Industry in Canada」と題されたESA(Electronic Software Association)Canadaのレポートによれば、2007年10月の時点でカナダのエンターテインメント系ソフトウェアメーカーは260社を数え、その一部は複数のスタジオを持っている。産業全体では約9000人を雇用、推定15億カナダドルから20億カナダドル(15億ドルから20億ドル)の利益を得ている。UK Trade and Investmentによれば、英国では売上高が20億ポンド(41億ドル)、150社が合計8000人を雇用しているという。オーストラリアのゲーム市場は、2006年に合計10億オーストラリアドル(8億7600万ドル)、40社が700人を雇用している。
カナダに遅れをとらないために、他の国は何ができるのか。米国はカナダを意識するべきなのか。英国は第3位に返り咲きできるのか。そして、オーストラリアなどの後発組は、このますます競争が激しくなる市場に参加する機会があるのか。
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